だいぶ前から薄く収縮した自家骨の代わりに人工骨を使用する治療がインプラント分野で定着してきました。
代表的なものは牛の骨を処理して感染性を除去したといわれるバイオオスですがこちらは数十年にわたる使用実績から、ゴールドスタンダードとして世界的に認識されています。
一方で日本では科学的に合成された人工骨が各社から発売されそれなりに実績を積み上げているようです。
当院でも様々な人工骨を症例に分け使い分けてまいりましたが、それぞれ利点欠点がありインプラント同様これ一つですべて賄えるには至っておりません。
東北大学でも比較的早く骨組織が回復できる製品を開発してきましたがその成果が期待されるところです。
以前にアメリカのインプラント学会AOで昼食をとりながら教えていただいたドイツの教授は使うのは自家骨のみで
薄く削った自家骨を長いスクリューで固定して数か月で立派な自家骨ができるのでこれがベストですと言っていました。
私も試してみましたが骨採取が難しいのとねじで固定した部分を維持するのが難しく欧米人の骨格をうらやましく思いました。
そういうわけで今はピエゾサージェリーで骨を薄く割り、イタリア製の電動マレットで若木骨折を起こしてインプラントを埋入することで
造骨を避けることができるようになりました。
もちろん上顎洞提挙上術はできるだけ避けて3Iのショートインプラントで対応してすべて成功しています。
奨励ごとに適切なインプラントを選択することが極めて重要なのです。一社だけでやろうとすると相当に無理が生じますね。